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料理のプロが教えるハーブやスパイスの使い方と入れるタイミング
いきなり結論から言ってしまうと、
ハーブやスパイスを使うタイミングは、いつでも良い!
以上!(`・ω・´)
・・・というとちょっと怒られそうなので、深堀りしていきます。
料理はあれこれ縛られながらしていたら楽しくありません。
料理の歴史は長いですから、先人達が色んな試行錯誤を繰り返してこれは美味しい!というアイデアはもちろんあります。そこは大いに活用するべきです。
しかし何よりも初めに覚えておいていただきたい事は、
『料理は楽しみながらするもの』
料理をし、食べる事はほぼ毎日しますよね。理論に縛られず力を入れず、楽しまないと損です。
なので私は家庭で料理をされる皆さんに、ハーブやスパイスを使うならこういう方法がありますよというアイデアの一例をご紹介します。
『自由に使う』をベースに、そこにアイデアを少しずつ足していき、料理の幅を広げていってください。
■ハーブとスパイスの区分
料理で使われるハーブとスパイスは、次のような状態に分けられます。
ハーブ
・フレッシュ(生の状態)
・ドライ(乾燥の状態)
スパイス
・ホール(地下茎や乾燥させた樹の皮、果実、種子)
・パウダー(粉末の状態)
という風に、基本的にハーブ系は生の状態と乾燥状態のものに、スパイス系は種子の状態とパウダー状態のものに分けて売られています。
例えば生のローズマリー(ハーブ)や生の生姜(スパイス)などは生鮮食品のコーナーに、
黒胡椒やカルダモン(ホールスパイス)、ガラムマサラやチリパウダー(パウダースパイス)などはスパイス棚にまとめて並べられています。
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■ハーブとスパイスの特性
ハーブやスパイスの香りの特性として、全てではないですが
主に『脂溶性』である事
が挙げられます。
例えば以下の
ローズマリー、タイム、セージ、オレガノ、バジル、ニンニク、ローリエ、生姜(水溶性も兼ねる)、
胡椒、クミン、コリアンダー、ターメリック、サフラン、シナモン、八角、長ネギ、玉ねぎ山椒、山葵、カラシ、マスタード 、柚、レモン、スダチ...
などは全て脂溶性で、油に香りが溶けやすいです。ですので料理に使う際は、
油と一緒に調理してあげると、香りは効果的に料理に移りやすくなります。
厳密に言うと水溶性の特性も持ち合わせていますので、もちろん水分にも香りは移ります。ですので、どう使おうと結果的に香りは料理に移るので、好きなように使ってよいということになります。
■ハーブとスパイスの香りの立たせ方
それではハーブやスパイスの香りを立たせる方法を見ていきましょう。
●包丁などで細かく刻む
フレッシュのハーブやスパイスを刻んで料理に使います。お店でもイタリアンパセリを細かく刻んでお皿に飾り付けているのをよく見かけますね。
細かく切って細胞を壊すと香気成分が流れやすくなります。ソースに加えたり、マリネに使ったり用途はさまざまです。
●挽く
胡椒などの種子はペッパーミルなどで細かく挽いてパウダー状にします。
パウダー状に挽く事で料理全体に均一にスパイスの香りを分散させる事が出来ます。また、その場で挽く事ではっきりとした香りを味わう事が出来ます。
乾燥させたものといえど、挽き立ては香りが段違いなので場面によって使い分けます。
●潰す(道具、または指を使って)
例えば瓶の底や包丁の腹などでスパイスを粗めに潰します。
胡椒やニンニクなどが良い例です。荒く砕く事によってスパイスが持つ味の特性を大きく感じさせる事が出来ます。
ゴマなどは指ですりつぶす事によって香りも立ちますし、表皮を指で壊すことによって栄養吸収が格段に良くなります。
●油と一緒に火を通す
オイルを加熱しながらフレッシュのハーブやスパイスを入れて香りを移していきます。
ドライハーブは焦げやすいので、油に直接投入する際には注意が必要です(というかあまりやらない)。マリネする時にお肉やお魚に刷り込むか、スープを作る際にパッと振って香りを付与するようなイメージです。
スパイス達にふつふつと泡が立ってきて、20~30秒程で完了です。カレーを作り始める時にする作業ですが、香りを足したい時に最後にサッとかけたりもします。
スパイスが茶色く変色してくると苦味が出て失敗です。気をつけて行いましょう。
この作業を、例えば同じスパイスのパウダータイプでやっても同じ香りになりません。加工の状態で香りが一部飛んでいるからです。ホールでやってこそ香りが立ちます。
●すり下ろす・削る
ニンニク・生姜はすりおろしたり、シナモンやナツメグは削ったりして香りを立たせます。すりおろしたり細かく削ったりする行為が一番細胞を破壊するので、香りや栄養をしっかり料理に移すしたい時に効果的です。
あと一押しの香りやパンチが欲しい時はこのやり方がとても重宝します。
●揚げる
例えばフレッシュのハーブをサッと油で揚げて、パリッとさせて飾りなどに使います。揚げる時間も十数秒以内と短いので香りも残っています。香りというよりは"飾りのため"という側面が大きいです。
●煎る
ゴマを乾煎りして香りを立たせます。ゴマの表皮を焙煎して香りを立たせている訳です。
カレーで使うホールスパイスをパウダーにする場合には煎ったりしますが、パウダースパイスをわざわざ煎ったりはしません。なぜなら大抵焙煎されてパウダーにされていますし、やはり香りが落ち着いてしまうからです。香ばしさは増しますが。
●組み合わせる
ハーブ1種類・スパイス1種類・食材だけでも十分美味しい組み合わせですが、2種類以上のハーブやスパイスを使うと深みが出ます。
もちろんたくさんのスパイスを入れて香りがうるさくなってしまったら本末転倒ですが、
例えば調理の中で
●辛味のスパイス、
●臭い消しのハーブ/スパイス、
●香り付けのハーブ/スパイス、
●食欲増進のニンニク、
というように使うと、色んな味わいが複合的に押し寄せてきて食べると深みが出ます。
使う量は刺激の大きい物は少なめに、刺激の小さいものは多めにしてバランスを確かめながら加えます。
●叩く
ミントや木の芽(山椒の葉)など、手の平に置いてもう一方の手でパン!と叩く。そうすると細胞が壊れて香りが立ちます。
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■実際の使い方・投入するタイミング
改めて見てみると色んな香りの立たせ方がありましたね。
普段何気ない料理でも意識せずハーブやスパイスを使っていた事もあったのではないでしょうか?
ここからは私なりのハーブとスパイスの使い方をご紹介していきます。
(1料理人の意見なので、あくまでもご参考までに)
●フレッシュハーブの使い方(生の状態)
生のハーブを使うなら、なるべくそのままの状態で。お料理の最後の仕上げに、または刻んで香りを立たせて使うのが一番効果的です。
火を通すなら短めに。長く火を通すとせっかくのフレッシュな香りが落ちてよく分からなくなります。しかし、多めに入れると火を長時間入れても香りは残ります。フレッシュハーブを大量に使うかどうかはコストと時間により料理人によって違うでしょう。
マリネで臭い消しとしても使えますが、一晩漬けおくなど長めにした方がよいです。香りを付与するというよりは、素材の臭いを抑えてうっすら香るかな〜というイメージ。
ガッツリ香りを付けたい時には、ドライのハーブを使います↓
●ドライハーブの使いかた(乾燥の状態)
香りが強いので少なめに使っていきます。そのまま仕上げに使う事はあまりないです。
煮込み料理の場合は水分を加えて煮込み始める時に、和え物は最後に調味料と和える際に使うのが一番簡単でわかりやすいです。
お料理の下準備の際、お肉やお魚のマリネに混ぜ込むとかなり香りが移ります。しかし使い過ぎると、焼く時などに乾燥ハーブが焦げて苦味の原因になります。使う量は調節してください。
日持ちもしますし、悩んだらドライハーブから使ってみるのも良いでしょう。
●ホールスパイスの使いかた(地下茎や乾燥させた樹の皮、果実、種子)
乾燥された物でも香りが強く残っているので、荒く砕いたり、料理の最初にそのまま油に入れて香りを移したり、または必要に応じて少量ずつスライスなどして使います。
使い方として特に制限はありません、しかしなるべく香りが強い状態を活かして料理に使いたいです。
種子系は荒く砕いて料理の仕上げの時に、ニンニクや生姜・ミョウガなどはみじん切りやすりおろして料理の最初の臭み消しや最後の香りづけに、またそのまま液に漬けて香りを付ける(ピクルス液やお酒、マリネ液など)などします。
●パウダースパイスの使いかた(粉末の状態)
ホールのものよりは香りは薄いですが粉末状である分、料理への馴染みはすぐです。マリネするには最適で使う量も少なくて済みます。油で温めて使うと香りは移りやすく、冷たい和え物に混ぜ込んでも充分効果があります。
カレーを作る時などは煮込む際に数種類のパウダースパイスを混ぜて使います。ホールで使う時より目視で配合量が分かりやすいのもー良いですね。
温菜でも冷菜でも選ばず使えるのが便利です♪
■ハーブやスパイスの効果と使い方まとめ記事
ハーブやスパイスについて以下の記事で細かく解説しています。よろしければ参考にしてください。
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●ハーブ
●スパイス
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■ハーブ&スパイス系レシピ
■まとめ
一通りハーブとスパイスの使い方をご紹介してきましたが、使い方について厳密なルールはありません。
まずは使ってみてください。
『より美味しくなるにはこうかな?』というイメージで試してみると良いでしょう。
何を買えば分からないというあなたには、入門ハーブ/スパイスとして
ブラックペッパーホール、
ホワイトペッパーホール、
ローズマリー、
タイム、
オレガノ、
唐辛子、
ニンニク、
あたりがおすすめです。どんな食材にも使いやすいので色々試せます。
ご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。
それではまた!
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