本日は『大根おろしを使ったタケノコ(筍)のアク抜き』について解説していきます。
「え〜?!大根おろしでタケノコのアク抜きなんてできるの?」と、私も思っていました。
それがね、できちゃうんです。大根おろしで
本来なら糠(ぬか)と唐辛子を買ってきて大鍋用意して煮込んで、皮を取って洗って.....とかハードルが高いんですが、今回用意するものは大根と絞る用のふきんくらいです。
タケノコは自分でアク抜きして食べるとね、本当に良い香りと食感が楽しめるんです。タケノコの調理のハードルを少しでも下げて、あなたに旬のタケノコ良さを味わってもらいたい。
ぜひご自宅で実践していただければと思います!
それではいってみましょう!
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さて、世間一般的にタケノコのアク抜きはぬかと唐辛子で湯がく方法が広まっていますね。実はそんな方法よりもっと簡単に、香りを残したままアクが消える方法があるのです。
私が尊敬する、分とく山の料理長『野崎洋光』さんが考案された大根おろしを使ったタケノコのアク抜き方法をご紹介します。
■材料
まず材料はこちら。
・大根
・水
・塩
これだけです。
どこでも手に入る材料でアク抜きできます。唯一、大根をおろすのが女性にはちょっと大変かもしれません。
楽に大根おろしを作りたい方は、クイジナートなどのフードプロセッサーや、バーミックスがあると作業が大変楽になります。
大家族のご家庭はあったら確実に料理が捗ります↓↓↓一応ご紹介しておきます。
◆クイジナートのフードプロセッサー。業務用調理器具の域なので、モーターもパワフル。ハンバーグの具材カットもおっくうではなくなります(^-^)/
◆ブラウンのハンドブレンダー。私は今回、大根おろしをこれで作りました(^-^)/少量のものをみじん切りにしたい時に重宝します。朝のスムージーやドレッシングにも。
BRAUN マルチクイック 9 ハンドブレンダー MQ MQ9035X
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■タケノコのアク抜きの方法
ここでは大根おろしでタケノコのアク抜きする方法を簡単にご紹介し、次に画像付きで詳しく解説します。方法だけ確認したい方はこちらをご覧ください♪
1.大根を皮ごとすりおろします。
2.すりおろした大根をふきんなどで絞り、『大根汁』を取り出します。
3.ボウルに大根汁とその同量の水を加え、全体の1%の塩を加えて混ぜます。
4.タケノコの皮を完全に剥いて、中身を適当な大きさに切り分けます。
5.③の大根汁にタケノコを加え、2時間程おきます。ここで大体7割程のアクが抜けます。
6.大根汁を捨て、沸騰したお湯で好きな柔らかさに茹でると完成です。この時点で9.5割のアクが抜けます。
次は、画像付きで細かく解説していきます!
■タケノコのアク抜きの方法を詳しく解説
では画像付きで細かく解説していきます♪
1.大根を皮ごとすりおろします。
2.すりおろした大根をふきんなどで絞り、『大根汁』を取り出します。
3.ボウルに大根汁とその同量の水を加え、全体の1%の塩を加えて混ぜます。
4.タケノコの皮を完全に剥いて、中身を適当な大きさに切り分けます。
5.③の大根汁にタケノコを加え、2時間程おきます。
6.大根汁を捨て、沸騰したお湯で好きな柔らかさに茹でると完成です。この時点で9.5割のアクが抜けます。
たったこれだけなのですが、本当にアクが抜けます。
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■タケノコの保存方法
アクを抜いたタケノコは、保存容器に水を張ってタケノコを浸けて冷蔵保存します。
・水は毎日替える。
・5日以内に使い切る。
を守って使いましょう。
■大根おろしでなぜアクが抜けるのか?
さぁ、これでタケノコのアクが簡単に抜けるようになりましたね!ではなぜ大根おろしでタケノコのアクが抜けるのか...?みていきます。
結論から言うと、アクが抜ける原理は解明されていない
自分なりに考察してみます。
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●タケノコのアクの成分ってなに?
タケノコのアクの大部分はホモゲンチジン酸、次いでシュウ酸です。
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●糠(ぬか)や重曹でアクが抜けるのはなぜ?
3つの要素があります。
①糠(ぬか)を溶かしたお湯でタケノコを湯がくと、カルシウム成分がアクの成分の一つであるシュウ酸と結合してアク抜きできます。実験結果もあり、これは確かです。
そして糠の成分がホモゲンチジン酸を吸着して取り除いてくれる....説がありますが、これについては確証がありません。ホモゲンチジン酸は水溶性ではあるので、茹でる事での流出はありますが、糠が効果的だという根拠は示されていません。
ちなみに唐辛子を加える根拠も明確ではありません。個人的には、辛味成分でエグ味をマスキングしているのではないかと思います。
②熱湯で茹でるとタケノコの中の酵素が失活し、ホモゲンチジン酸がそれ以上生成されなくなります。細胞も柔らかくなるので、若干のエグ味も抜ける効果があります。
③アルカリ性の水溶液で植物を茹でると細胞壁にあるペクチン(水溶性食物繊維)が溶け出し、細胞壁に穴があきます。タケノコも同様で、この細胞壁の穴からホモゲンチジン酸やシュウ酸が水中に溶けだします。
ただし、濃い濃度の重曹液だと植物は溶けやすくなり、香りも飛んでしまうので注意が必要です。せいぜい0.5%〜1%の重曹液にしておきましょう。
重曹はpH8.2あたりの弱アルカリ性、米糠はPH6あたりの、中性よりの弱酸性です。
●大根の酵素や他の成分をみてみる
大根には消化を助ける酵素が豊富に含まれています。また、強い抗がん抑制効果を持つ成分があります。順番にみていきましょう。
大根おろしを生で頂くと身体に良い効果がたくさんですね。
さて、これらの成分がタケノコのアク抜きとどう関係するのか・・・?
●大根おろしでアクが抜けるのはなぜ?
大根おろしでのアク抜きの要点はこちら。
・濃度1%の塩水
・加熱しない大根おろしと水の液に浸ける
塩を加えるのは、浸透圧でタケノコの成分を外側に出す役割というのは分かります。
加熱しない大根おろし液を使う理由は、やはり熱を加えると失活してしまう酵素の働きが影響しているのでしょう。加熱した大根おろし液だとアクがあまり抜けないのです。
ネットには「大根の酵素がホモゲンチジン酸を分解してエグ味が消える」と書かれているのをよく見かけますが、ではどの酵素がホモゲンチジン酸と分解反応を起こして、どんな成分に変わっているのかは書かれていません......。
私も調べましたが分かりませんでした(~_~;)
生体内では、ホモゲンチジン酸分解酵素が働いて分解をする反応があるようなのですが、大根との関連性は探し出せませんでした。
アク抜きのメカニズムは今のところ全くの
謎なのですが、
香りよくアクがほぼ抜けるのは確かなので、今後もこの方法でタケノコのアクを抜いていこうと思います。
考案された野崎料理長、さすがでございます。
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■タケノコで甘辛煮を作ってみた
■大根おろしを絞らずにそのままアク抜きに使ってみた
※追記
大根おろしを絞らずに、そのまま使ってやってみましたのでご報告です。
結果から言いますと、アクが抜きできました。細かい手順は省きますが簡単に見ていきます。
①大根おろし・同量の水と1%の塩でタケノコを浸けます。
②2時間浸けてみて、6割ほどのアクが抜けた印象。切り分けたタケノコが大きかったせいか、アク抜けがちょっと悪く感じたので一晩冷蔵庫放置。
③一晩経ったタケノコを味見しましたが、7割ほどのアク抜きた印象。昨晩と比べそこまで変わりませんでした。水を入れ替え、水から弱火で茹でて30分。
④結果、9.5割ほどのアクが抜けました。
◆今回わかったポイント
・小さく切り分けた方が簡単にアク抜きしやすい。
・大根おろしを身と汁に絞り分けなくてもアク抜きは可能。
・やはり『2時間浸け』と『好みの柔らかさになるまで茹でる』はセットで行う必要あり。
■まとめ
まとめると、
◎大根汁・水・塩を用意する
◎タケノコの皮は剥いて小さめにカットする
◎2時間以上タケノコを漬ける
◎漬け終わったら柔らかくなるまで茹でる
◎9.5割のアクが抜ける
◎保存は水に浸けたまま
◎できれば毎日水を替える
◎タケノコの香りが残る
でした!
用意するものも常に身近にあるものですし、比較的試しやすいかと思います♪
旬のものが1番栄養価が高いです。タケノコのアク抜きに抵抗あった方、ぜひお試しください。
最後まで御覧いただきありがとうございました。
あなたの料理ライフがより良いものになりますように♪
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