本日は『飲食業界への転職』についてお話していきます。私は2020年まで飲食の現場におりました。大体15年位、他にも色んな事をやりながら飲食業界(主にレストラン)に足を半分つけながら仕事をしてきました。
大部分はレストランのキッチンで働いていたので、そこで見えてきた事を実体験と交えながらお話したいと思います。
これから飲食業界への転職を考えている人、料理を学んでみたいけど迷っている人への一つの参考になれば幸いです。
それではいってみましょう!
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【飲食業界へ転職】実体験を元にメリット・デメリットを解説
飲食業は、売り上げと忙しさが比例する業態
結論からいいますと、しっかりした目的意識がなく飲食業界で働くことはオススメしません。
しっかりした目的意識とは、例えば
◎飲食業界で働きたくて仕方がない!
◎料理を一生現場で作っていきたい!
◎料理の腕を一生かけてでも極めていきたい!
◎いずれ飲食店を経営したい!
◎衰退気味の飲食業界に新しい風を巻き起こしたい!
というものです。この辺りがしっかりあるのならオススメしますが、ないのであればオススメしにくいです。
私が思う飲食業界のメリット・デメリットを幾つか挙げてみます。
■飲食業界のメリット・デメリット
・離職率が高い
・肉体的にキツイ
・時間外労働が多い
・個人の働き方が変わってきた
・労働基準方の改正があったが現場ではまだ...
・労働時間が長く、忙しさに追われがちになる
・毎日生きている事を実感できる
・身体を動かすので良い運動になる
・2〜3年での転職は、私はおすすめします
・飲食店を経営をするスキルや人脈を作れる
・調理の技術をプロから学べ、しかもお金をもらえる
それではこのメリット・デメリットについて深堀りしていきます。
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■デメリット
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■離職率が高い
2018年に農林水産省が公表したデータによると、全産業の平均離職率が32.2%なのに対して、飲食業の離職率は50.2%と他産業に比べて非常に高い数値が出ています。
参考:農林水産省 食科産業局『外食・中食産業における 働き方の現状と課題について』|平成30年3月6日
これはコロナ以前の統計であり、現在はさらに悪化しています。
■時間外労働が多い
飲食店の労働体制は本当にブラックで(笑)、私が飲食業界に入った2006年辺りなんかはそれでも改善されていたとは言え時間外労働なんて当たり前でした。
仕事が終わってもやり残した事があったらタイムカードをきってから片付ける。会社としてはきちんと労働時間を管理している風に見せかけていましたが、現場の人間は暗黙の了解でさせられる空気がありました。上の立場になる人ほどそれをやるのが正しい風潮まである始末。
マネージャーは統括する店長や料理長に注意するだけで効果的な改善策を打ち出さないので、上と下に板挟みになっている立場の人が一番大変でした。要は現場にいる正社員が時間外に頑張ってフォローするのです。
飲食店の忙しさは来客数や準備によって左右されるので、イレギュラーで混む日があると当然予定していた仕事が後回しになる訳です。しかし朝と夜の開店時間は変わらないので、休憩を削ったり、夜の締め時間を伸ばすなどして調整します。
その時の為に人員をバックに置いておくと楽なのですが、コスト削減のこのご時世そこに人を配置できる店舗がどれだけあるか...。
飲食業は難しいのです。
■労働基準法の改正があったが現場ではまだ...
ところで、2019年4月から『働き方改革』の一環として労働基準法が改正され、時間外労働の規制が厳しくなりました。
参考:厚⽣労働省・都道府県労働局・労働基準監督署『時間外労働の上限規制』|2019年4⽉施⾏ ※中小企業への適用は2020年4⽉
時間外労働の上限規制が変わり、大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月から導入されました。詳しい説明は長くなるので省きますが、時間外労働の規制が厳しくなったんですね。
おかげでブラックにまみれた一部の飲食店も、ここ何年かできちんと有給を取れる体制に一応はなれましたし、無理な営業日数を表向きには設定する事ができなくなりました。大手の飲食チェーンは特に厳密に守る必要があるので昔と比べるとかなり働きやすくなりましたね。
逆に地方の個人経営でやっている飲食店なんかは、現場を回す事で手一杯な経営者が時代に取り残されているので、まだまだブラックな経営が続いています(正社員の労働時間をきちんと管理せず自由に改竄していたり)。
コロナの影響もあり、そういうお店は今後縮小するか淘汰されていくでしょうが、小さいお店ほどまだまだそういう時間外労働が当たり前な所があるのが現状です。
■個人の働き方が変わってきた
すでに終身雇用制は崩壊したともと言われていますが、コロナの影響も多大にあり大企業も大規模な人員整理を行っています。これまでは思考停止してただ働けば生活が安定するという事ができていた企業がありましたが、特に大手チェーンの飲食業界において2020年9月時点までのリストラへの動きは顕著で、そんな事柄はもう通用しない事が分かってきました。
都心・郊外問わず自転車操業状態のお店は多く潰れていますし、先を見通せている企業は計画的に店舗をどんどん縮小しています。外食産業は2019年までは右肩上がりの市場でしたが、2020年からはコロナの影響が続く限り市場規模は縮小傾向です。反対に宅配などのフードデリバリーサービスは市場が伸びています。
今は個人の発信力を磨けばビジネスに繋がる時代です。自分のスキルを伸ばし、広げて収入源を多く確保する事がこの先の時代を生き抜くのに必要です。飲食業界でただ雇われて働くだけの毎日の、思考停止な生き方は非常にもったいないです。
もしあなたが飲食店を開きたいという志があるなら、きちんと将来設計を立てて動く必要があります。自分の目的の為に何のスキルが必要か、どこでどうやって吸収するか、それを実現する為に具体的な道筋を立てて生きなければいけません。
■労働時間が長く、忙しさに追われがちになる
大手チェーン店などの、働き方がしっかり整備されている店舗以外は12時間以上労働なんてまだまだ普通にあります。そこに通勤時間、帰宅してからの諸々の家事など含めると自分の勉強の為の時間なんてどれだけとれるでしょう?
若いうちは徹夜して睡眠時間を削るなりして勉強してもまだ大丈夫でしょうが、歳を重ねてくるとかなりきついです。
つまり店舗での営業を回す忙しさに追われ、思考停止にならざるを得なくなる状況に陥る可能性があるのです。疲れていると帰って身支度して休む事で精一杯。きちんと休まないと次の日のパフォーマンスに影響します。それはお客様の満足度に直接繋がります。
目的があって人生設計がきちんとしていても、忙しさに追われがちな環境に身を置いてしまうとついついやるべきことが先延ばしがちになるので危険です。
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■肉体的にきつい
当たり前ですが、飲食店のお仕事はずっと立ち仕事です。20〜30代はまだ大丈夫。しかし40代からはどうでしょうか?死ぬまで立ち仕事し続けるなんて相当過酷です。実際腰や足を痛める人も少なくありません。
『作り手は一生勉強』
と、私は思っていますが、忙しさとお店の営業を回す事に追われて勉強する暇も持てない事になると本末転倒です。
老いても一生現場に居続けるのか、お店を開いてゆくゆくは経営側になるのかしっかり人生設計しておく必要があります。
■メリット
ここまでで相当飲食業界を否定してきましたが(笑)、
もちろん素晴らしいメリットもあります。
■調理の技術をプロから学べ、しかもお金をもらえる
これは大変大きなメリットなのですが、働きながらプロから無料で技術が学べ、しかも給与としてお金もらえます。しかも季節毎にあらゆる種類の食材の調理法を吸収でき、繰り返し試せて、アドバイスもしてくれる。料理本に載っていない細かなコツまで教えてくれます。
現場の技術を巷のお料理教室に通って得ようとすると、当たり前ですが結構なお金がかかります。
料理が上達するのにこれ程迄に優れた環境は中々ないと言えます。
■毎日生きている事を実感できる
お店にもよりますが、オープンキッチンは最高でした。ゲストに直接ご挨拶できます。
「おはようございます!」
「こんにちは!」
「ありがとうございました!」
これを大きな声で1日に何回も言うと心地が良いのです。家やオフィスに籠もってブツブツと話すよりも(笑)、大きな声と笑顔でゲストにありがとうございました!なんて言うとどれだけ気持ちが晴れやかになるか想像してみてください。
私はあるIT企業でお仕事をした事がありましたが、すごくストレスが溜まったことがありました。一日中オフィスに居て座りっぱなし、大きな声で人に感謝を伝える訳でもなく、たまにホワイトボードの前に立って会話。
いまいち刺激が足りない・・・。
一方で調理は、目の前に食材が並び5感で感じながら仕事が進んでいきます。目で見て、触って、音で探って、匂いで確かめながら、味を完成させていきます。これはとて刺激なことです。
夜の営業は音楽のLIVEと一緒です。
自分の渾身の作品(料理)がゲストを喜ばせる事ができるか、毎日良い意味で緊張します。目の前で召し上がってくださり、美味しいと言っていただけるととてもやりがいを感じますよ。
■身体を動かすので良い運動になる
飲食業は結構重労働です。楽なお仕事は稀です。食材や業務用調理器具は重いし、大量に作らなければならないし、正直大変です。しかし身体を動かすと血の巡りも良くなりますし、頭も冴えてきます。
自分のマインドと似たお店と巡り合う事ができたなら、それはかなり働き心地が良いものになると思います。実際私もそう言うお店で働いていた事があります。
その時は本当に職場に行く事が嬉しいを通りこしてもはや癒しでした。
■飲食店を経営をするスキルや人脈を作れる
正社員として働いて目的意識がしっかりあれば、飲食店を経営するスキルや人脈は簡単に習得できます。会社に貢献しているあなたであればチャンスも巡ってきます。
きちんとした目的と手段とゴール地点を設定し、頑張っているあなたの視野に起業が入った時、すでに必要な知識と仲間が側に居てくれるはずです。
20代前半で探りながら何となく飲食業界へいくのはおすすめしません。もし何となく飲食業界へ入ったら見極めは早い段階で必要です。
■2〜3年での転職は、私はおすすめします
『料理』と一括りにしても、国ごとに色んな調理法が存在し、使うハーブやスパイス、調味料もたくさんの種類が存在します。当然日本のお店も色んな国ごと、またコンセプトごとに分かれており、厨房では当然やる事が違います。
私は今まで幾つかお店を転職しましたが、調理技術が身についたと思っていた状態でも、新しい発見と驚きが現れて自分の知識の底上げをしてくれました。
日本ではジョブホッパーは良い印象は持たれないかもしれませんが、海外ではさほど珍しくありませんし悪いイメージもないようです。私は、飲食業界での転職はスキルを身に付ける為であれば割と頻繁に行ってもよいと考えています。というのも大体2年も居れば全て吸収できてしまうからです。長くて3年。
あらゆるジャンルの調理を吸収していけば調理技術は奥が深まり面白いアイデアも湧いてきます。色んなスキルを身に付けた人間は重宝されます。
あなただけの料理が生み出せるように、同じ所に何年も居続けるよりは転職して新しい知識を吸収する事をおすすめします。
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■料理を学んでみたいと思っているあなたへ
料理が上手になりたい度合いにもよりますが、そこそこ本気の方へ向けて幾つかご紹介します。
■一流ホテル
料理がうまくなりたいだけなら、期間限定で一流ホテルをオススメします。
ちょっとハードルが高いですが、ホテルでの厨房が一番手取り早いです。厳しいですが、プロから一流の技が学べます。
何年も居続けるのは時間が勿体無いので、得られるスキルを吸収しきったらさっさと転職しましょう。変な環境に行かないように例えば飲食業界専門の転職支援サイト『Foods Labo』などでしっかり就職先を探すのをおすすめします。
■コンセプトがしっかりしたレストラン
和食・イタリアン・フレンチ・中華・ヴィーガン・マクロビオティックと、それぞれに特化した繁盛店が良いです。ただし期間限定で。個人経営のお店は労働環境がブラックな確率が高いので、しっかり吟味してください。
大手チェーンの飲食店はあまり意味がありません。出来合いの物を温める作業で回っているお店などは調理技術の向上は見込めません。
■地域の素敵なレストラン
そこまで本気ではないけど、料理の向上を目指したい方はどうぞ。ただし、ダラダラ居続けるのは時間の無駄なので、スキルアップが見込めるかどうかは情報収集や面接で見極めて。
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年間20,000名を超える転職相談実績
■プロから学べる料理教室
何でもそうですが、その道のプロから基礎を学ぶのが一番です。一流の料理人からオーダーメイドでカリキュラムを組んでやってくれる数少ない料理教室はこちら。
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■調理師専門学校で勉強する
お金と時間に余裕がある人は趣味の方でもおすすめです。料理を勉強する上で一番堅実に、広く調理を学ぶ事ができます。調理師専門学校で学んだ事は飲食の現場でもかなり活かせますし、すぐに戦力になれます。
有名どころでいえば『服部栄養専門学校』、『辻調理師専門学校』です。
海外を拠点に日本食を武器に働いていきたい時は『飲食人大学/資料請求(無料)』もオススメ。海外での寿司職人は大変重宝されます。給与も高め。
■まとめ
◎ただ何となく飲食業界に入るのはおすすめしない
◎ゴールと得るべきスキルを決めて逆算して動く
◎ブラックな所に当たったらさっさと辞める
◎どんな業界でも、転職前にしっかり選ぶ
◎飲食業界の売り上げ推移は以前として右肩下がり
◎思考停止していると老いても一生現場人で忙しいのが続く
メリット・デメリットが目立つ業界です。やりがいもあり、楽しいですが忙しくもあります。きちんとした人生設計のもと計画的に働いていきましょう。
少し厳しめの目線からこの記事を書きましたが、『創った料理が誰かを幸せにする』仕事はとても大きなやりがいを感じられます。
無理なく続けられるあなた自身の道を見つけていけるヒントになれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
あなたの料理ライフがより良いものになりますように。
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