本日は『有機栽培とは?』にフォーカスして、お野菜の栽培方法や肥料、種の事などについて簡単に解説していきます。
オーガニック野菜について興味をもったあなたなら次の用語は一度は目にした事があるかもしれません。
・『有機栽培』
・『特別栽培』
・『減農薬栽培』
・『自然栽培』
・『無農薬栽培』
・『有機肥料』
・『化学肥料』
...これ、パッとすぐ違いが分かった方はすごい!
有機栽培、オーガニックと聞くと安心・安全なイメージがしますよね。でも実は有機JASが定めた基準では、認可された31種類の農薬の使用が認められています。
そう、有機栽培=無農薬ではないのです。
オーガニック食品が段々と世間に浸透してきつつある今、私たち消費者が正しい知識を持っている事がとても大事になってきます。
この記事ではオーガニック初心者さんや、安心・安全なお野菜を摂り入れたい意識の高い方、自分が買うものをしっかり理解しておきたいあなたに向けて、オーガニック食材を選ぶ時の目安になるような知識を簡単にご紹介します。
最後まで読むと自分に合ったオーガニック野菜の判別ができるようになります!
よろしければ参考にしてみてください。
それではいってみましょう!
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有機栽培とは?無農薬栽培との違いはなに?栽培方法や肥料の種類、F1種など簡単に解説
■①お野菜の栽培方法や農薬の有無について
さて、早速みていきましょう。順を追って解説していきます。
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●慣行栽培とは?
慣行=かんこうと読みます。
あまり聞き慣れませんね。従来型の栽培方法で、害虫の駆除・防除・除草の為に農薬を使い、収量増加の為に化学肥料を使います。
農林水産省の調べによると、日本のスーパーやコンビニ、食料品店で買える99%以上お野菜がこの慣行栽培のお野菜です。
普通の飲食店で使われているお野菜もみんなこの慣行栽培のお野菜です。私達が1番口にしているお野菜ですね。
農薬使って化学肥料も使って生産性あげますよー!というのがこれです。
●有機栽培とは?
化学的に合成された肥料や農薬、遺伝子組み換え技術を使わず、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培方法です。
化学肥料や農薬を使用せずに2年以上経過した土で栽培を行います。
ちなみに有機栽培であっても、農産物に重大な損害が生ずる危険があり農薬の使用以外には効果的な防除ができない場合には有機農産物の生産をする中でも使うことのできる農薬を定めています。
除虫菊剤、銅や硫黄を成分とした薬剤、天敵や微生物などを用いた生物農薬、性フェロモン剤などです。
肥料は有機JASが定めた基準がとても曖昧な、有機質の肥料を使用します。有機野菜=無農薬ではないのです(^_^;)
農薬は限定的に使ったり使わなかったり、肥料は動物性由来の有機質肥料使いますよー!というのがこれ。有機肥料は後で解説します。
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●特別栽培とは?
まず、『減農薬栽培』や『無農薬栽培』という販売の際のラベル表示は、誤解を与えたり定義が曖昧などの理由から農林水産省『特別栽培農産物に係る表示ガイドライン』により平成16年に禁止されました(^_^;)
確かに以前は減農薬や無農薬などの表記はよく見かけましたね。しかしそれらは農薬をどの程度使ったかどうかでの言葉でしかないのです。現在は減農薬や無農薬といったラベル表示でお野菜を売ってはいけません。
ルールとしてはその農産物が生産された地域の慣行レベル(各地域の慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況)に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下で栽培された農産物です。
ちなみに節減対象農薬(使用を控える対象農薬のこと)を使用しなかった場合、『節減対象農薬:栽培期間中不使用』の表記となります。
無農薬の場合は『栽培期間中不使用』または『節減対象農薬:栽培期間中不使用』と書かれますが、後者はその対象農薬以外の農薬は使われていることになりますので注意。
ちょっとややこしいですね^^;
無農薬もの、減農薬もの、化学肥料はちょっとしか使用しないもの、自然栽培もの、←これらをひとくくりにして慣行栽培や有機栽培を分けている表記が『特別栽培』です。
明確に規定がある栽培方法はまとめると以下になります。
・有機栽培
・特別栽培(慣行栽培と有機栽培以外がこれに入る)
それではその他の、厳格に規定のない栽培方法は他に何があるのかみていきます。
●自然栽培・自然農法とは?
自然農法は現在明確な規定がありません。その為農家さんの数ごとに色んな方法が存在しているのが現状です。
バイオダイナミック農法・炭素循環農法・漢方農法・MOA自然農法・EM農法・合鴨農法・福岡式自然農法・木村式自然農法など、様々に存在しております。
一般的に自然農法は、
自然農法の提唱者の一人である、「わら一本の革命」で有名な福岡正信さんは不耕起(畑を耕さない)・無除草を基本としていますし、MOA自然農法を提唱した宗教家岡田茂吉さんは不耕起ですが植物性の堆肥の活用をしております。
明確な基準がないので、農家さんによって色んな栽培方法が乱立しているのが現状です。
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■②肥料の種類とメリット・デメリット
●化学肥料とは?
化学肥料とは、化石燃料(原油、天然ガス)や鉱物資源(りん鉱石、加里鉱石等)が原料で化学的に製造された肥料で、大別すると以下になります。それぞれの効果は割愛します。
・窒素質肥料
・りん酸質肥料
・加里質肥料
・複合肥料
・石灰質肥料
・その他肥料 (ケイ酸質肥料、苦土肥料)
・メリット
・有機肥料に比べてニオイやガスが発生しにくい。
・市場に安定的に供給されて入手が簡単。
・粒の形や大きさが均一で成分もほぼ同じなので、施肥量をコントロールしやすい。
・デメリット
・微生物のいない土壌では病原菌や病害虫が発生しやすくなってしまう。
・保水力が弱く雨が降っても圃場からすぐ排水されてしまうような土地は、保肥力も弱く植物が吸収する前に流されてしまい、近くの河川の汚染に繋がる。
・根元に与えると根を傷める原因になるので注意が必要。
化学肥料と聞くと身体に害があるようなイメージですが、そうでもないですね。使いすぎすると環境と作物に影響があるので、必要な箇所に最低限使うのが良いのかと私は思います。
続いて、有機肥料のメリット・デメリットをみていきましょう\(^-^)/
●有機肥料とは?
有機質肥料とは、生物由来の資源を原料とする肥料です。
基本的に有機質を成分とするが、動物の糞や草木の灰は無機物でありながら有機質肥料に挙げられます。
・堆肥......牛ふん堆、豚ふん堆肥、鶏ふん堆肥。
・動植物質肥料......魚粕粉末、菜種油粕、骨粉(動物の肉・骨や魚)、草木性植物の種子等から、圧搾等により水分・脂肪・油を搾った後の粕やその粉末。
・有機副産物肥料......汚泥肥料。
・メリット
・団粒構造が形成され、保水性や透水性が良くなる。(有機肥料は微生物によって分解され、その際に出す分泌物や分解されず残った有機物の一部が土に残り、団粒形成の促進につながる。つまりフカフカな土になる。)
・固形のものは効果が長く、一ヶ月ほど効果が持続する。
・デメリット
・分解・発酵の段階で熱・二酸化炭素・アンモニアガスが生じ、肥焼けを起こして生育を阻害してしまう場合がある。
・微生物の働き次第で分解状況が変わるので肥料の量がコントロールしにくい。
・原材料に限りがあり、値段が高めである。
あのフカフカな土は有機肥料のおかげだったんですね(^-^)/それにしても動物性由来のものが結構あります。ヴィーガンの人たちは栽培に使われる動物性由来の原料にまで気をつける必要がありますね、大変だ(・・;)
化学肥料も有機肥料も良い面はありますので、必要最低限の量でうまく使う事ができたらよいですね。
■③F1種と固定種・在来種
●F1種
皆さんF1種をご存知ですか?詳しくは別の記事で解説しますが、簡単に言うとF1 種はある父親とある母親をかけ合わせてできた第1世代の種子のことです。
優勢の法則により、この第1世代の種で作られたお野菜は形も大きさもよいものが出来上がります。大量生産も容易にできて流通に乗せやすく、今やなくてはならない種になっています。日本で流通している9割以上のお野菜の種はこれです^^;
このF1種を作るとき、狙ったもの同士を掛け合わせる時に便利なのが花粉を作らないミトコンドリア遺伝子異常=『雄性不稔』の株です。
ハイ、ここまで書くと長くなってもう簡単じゃありませんよね、すみません_(:3」z)_
お野菜の多くは『自家受粉』するので、かけあわせるときに自家受粉してしまうとかけ合わせられない。そんな時この雄性不稔の株が役立つんですね。楽に作れるので種苗会社が喜びます。
このミトコンドリア遺伝子異常が、動物実験でラットの生殖能力を低下させたことが証明されました。.......しかしこの雄性不稔母系の株を使ったお野菜の、摂食による人体への影響は認められていません。
そんなに心配しなくてもいいという意見もありますが、私はちょっと気持ち悪さを感じます。ミトコンドリアの大きさは1nm、大腸菌と同じくらいの大きさでめちゃくちゃ小さいのです。
それを摂取し、消化して、日々細胞レベルで同化していく事を長年続けるとどうなるのか......私はなるべくF1種は減らしていく生活を選びます(・・;)
●固定種・在来種
・固定種
自然な育種をしていくうちに、その土地の風土に合わせて性質が固定化されていった種の事を指します。例えばイタリアのお野菜の種を日本で植えて、数年かけてその土地の性質に合わせて固定(変化)化させた種は固定種といえます。
・在来種(伝統野菜)
特定の土地においてある期間育てられ続け、その土地の気候風土や環境に適応したもののことを指します。
固定種の一種で混同しがちですが、例えば壬生菜・水菜・聖護院カブ・聖護院大根は京都の在来種、湘南レッド・三浦大根は神奈川の在来種、有名な野沢菜は長野の在来種になります。
F1種と違い固定種・在来種は自家採取可能です。その土地に固定化されて行ったお野菜は見た目も味もユニークで、F1種より明らかに美味しいです。
ちなみにF1種は自家採取しても、第2世代以降は形・大きさ・味が不揃いで安定的な収穫が望めません。なので農家さんは毎回種苗会社から種を買っているのです。
固定種・在来種のお野菜はその辺の市場やスーパーでは出回っていないので、農家さんに直送してもらうか、オーガニック野菜の総合サイトで買うのが選択肢になります。
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■どんなお野菜を選べばいいの?
人それぞれですが、私は次の3つを調べるようにしています。
②どんな肥料を使っているか?
③種はF1か固定種・在来種か?
①は栽培の方法が書かれていれば大体分かりますね。
②、③は調べたり農家さんに直接聴いてみないと分かりません。特に③を記載している所は日本の農家さんの中でも一部を除きほぼないでしょう。
ですので、
農家さんに直接聴くか詳しく調べられる食材宅配サービスで買うのが良いかと思います。
ちなみに、自分が利用する農家さんは次のような条件に当てはまっている所を選びます。
・自然栽培or有機栽培である
・なるべく無農薬である
・肥料は化学肥料有機肥料どちらでもOK
ただし動物性由来のものは飼料などが遺伝子組み換えやホルモン剤などの投与がないもの
・固定種、在来種も一部使っている
参考の一つにしていただければ幸いです♪
●合わせて読みたい
■まとめ
私は長年オーガニック業界におりましたが、固定種・在来種で自然栽培されたお野菜を初めて食べた時は本当に驚きました。味がとても濃く、香り豊かで美味しい。
ぜひ一度、昔の本当のお野菜の味を味わってみてください。
それではまた!
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