本日は『カルダモン』について解説していきます。
そう、カレーを作る時に使われるスパイスで有名ですね。これが入っていないとカレー感が足りない重要なスパイスです。
日本の食生活においてはそこまで馴染みがないスパイスですが、世界ではもっと馴染み深く色んなお料理に使われています。
カルダモンは世界で3番目に高い高価なスパイスとされています。グラムあたりの単価でこれより高いスパイスはサフラン、バニラだそうです^^;
いつも記事を見てくださっているあなたはもうご存知でしょう。今回ご紹介するカルダモンも身体に良い色んな効果があります。
この記事ではカルダモンが持つ効果と、調理法ごとに使い方をみていきます。あなたの料理の引き出しが少しでも増え、日々の食生活がより豊かになれば幸いです。
それではいってみましょう!
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さて、早速カルダモンをみていきます。
混合調味料であるカレーのガラムマサラで使われるイメージの強いカルダモンですが、今日では様々な国のお料理で使われています。
ヨーロッパ・アラブ諸国・アジアなど広い地域で用いられ、お肉・お魚・炒め物・煮物・マリネ・デザート全般・ドリンク系など使われる場面の多いスパイスです。
大きく別けると『グリーン・カルダモン』と『ブラックカルダモン』があり、日本のスーパーに置いてある大抵のカルダモンはこのグリーン・カルダモンです。
ちなみに、ガラムマサラに入っているカルダモンはブラックカルダモンです。直火にかけた後乾燥させるブラック・カルダモンは少しスモーキーな香りがします。煮込み料理などにおすすめです♪
パウダータイプのカルダモンはスーパーに置いていますが、揮発する成分の多いカルダモンは、ホールとパウダーでは全然味わいが違います。
ホールのカルダモンの皮を剥き、中の種子を砕いて使うのをおすすめします。
胡椒とかに比べると馴染みがないスパイスですが、実は使い方は簡単で自由に使ってOKなのです。比較的使いやすいスパイスといえます。
では次にカルダモンの効果についてみていきましょう♪
■カルダモンの効果
名称
カルダモン
原産地
南インド 西ガーツ山脈
カルダモンヒルズとも呼ばれる
科名/属名
ショウガ科
ショウズク属/グリーンカルダモン
アモムム属/ブラックカルダモン
栄養/成分
口臭予防、鼻水が止まらない時、眠気覚まし、緊張緩和目的で種子を食べるのが効果的です。
香気成分としては、ものによって含有量が異なりますが主に
1.8シネオール、酢酸テルピネル、
次いで
リモネン・酢酸リナリル・リナロール・αテルピネオールなどが含まれます。
『1.8シネオール』が一番多く含まれており、効能として去痰・抗菌・抗ウイルス・抗炎症・免疫調整・鎮静作用などがあります。
『酢酸テルピネル』はその次に多く含まれており、消化促進・抗けいれん・鎮静・鎮痛・抗炎症・血圧降下作用を持っています。
ファイトケミカルでもある『リモネン』は抗酸化・抗菌・抗ウイルス・抗がん用・抗アレルギー・鎮静・血行促進・胃腸の蠕動運動促進(消化・食欲増進)・抗結石・組織再生・肝臓強壮、腎臓機能促進を、
『酢酸リナリル』は鎮静・鎮痛・抗菌作用を、
『リナロール』は鎮静・抗不安・血圧降下・抗菌・抗真菌・抗ウイルス・免疫調整作用を、
『α-テルピネオール』には抗炎症・抗アレルギー・ぜん息・鎮咳・収れん・胆汁分泌促進・催眠・免疫調整作用があります。
主な栄養成分としては、タンパク質と脂質、ビタミンB1・B2・B3・B6・C・カリウム・カルシウム・カリウム・鉄分・マグネシウム・他などが含まれています。
注意
妊娠中・授乳中の女性は摂取を避けましょう。また、薬を服用中の方は相互作用により副作用が起こる恐れがあります。
胆石、胆嚢疾患がある場合は食べるのを避けましょう。
用途
国によって使われ方は違いますが代表的なものがカレーのスパイスに使われます。他、あらゆる場面で香りと清涼感目的で使われます。デザートにも使われます。
保存
種子なのでシリカゲルなどの(乾燥剤)と一緒にして冷暗所にて保管してください。
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■熱を加える カルダモン編
さて、それでは使い方を実際にみていきましょう。
熱を加えるパターンと加えないパターンで分けて深堀りしていきます。
世界の料理での使われ方も一部ですが合わせてみていきます。
砕いたカルダモンの種子を食材と炒めます。使う量は全体の重量の1%以下くらいの量。1つまみ〜2つまみくらい。使いすぎると薬っぽい味がするので注意してください。
・焼く(直火・炭火・炙る・ロースト・グリル・煎る)
お肉をローストする時、カルダモンパウダーを塩・胡椒と一緒に擦り込みます。一味違ったアクセントになって美味しいですよ♪
お肉やお魚をローストする場合は、ホールを潰してそのまま食材のそばに2~3個置いて焼くのも良いでしょう。油をかけてあげると脂溶性の香気成分が立ち上り香り付けしてくれます。
豚肉の場合はカルダモンと一緒にクローブも焼くと相性が良いですよ♪
・揚げる
揚げる食材にカルダモンパウダーを刷り込んで揚げます。パウダーを刷り込む場合は少なめに。高温で揚げるので香りが飛びます。ホールは勿体無いです。
お肉・お魚・お野菜、どれでも合いますよ\(^-^)/
・煮る
カルダモンは煮込み料理によく使われます。とりわけカレーにはよく使われますね。他の国でも様々に使われます。
・『Amedhin_アメーダヒン』/ミャンマー
:多めの油と、お野菜・牛肉(アメーダ)・スパイス・トマトで煮込まれる料理です。牛肉のトマト煮込みのようなもので、ココナッツミルクで炊いたライス(オンタミン)と一緒に食べられます。
かなりエスニックな味ですが、美味しいです。
・『Pilau_ピラウ』/ タンザニア
:ピラフの語源ともなったお料理で、生米をバターで炒め、お野菜・スパイス・お肉の出汁で炊き上げたものです。クミンをガツンと効かせると美味しいです。カルダモンは使いすぎない程度に。
地中海沿岸〜アフリカまで広い地域で食べられています。
・『Kabsa_カブサ』/ サウジアラビア
:サウジアラビアの国民的お料理。鍋でお野菜、牛肉や鶏肉を炒め、トマト・スパイス・水と一緒に炊き上げます。
仕上げにローストアーモンドやカシューナッツをふり、レモンなども添えられます。
・蒸す
包み蒸し/焼きする時に食材と砕いたカルダモンを和えて香りをつけます。練り物を蒸し焼きにする場合にもタネにパウダーを練り込んだりもします。
・燻す
燻す前のお肉にカルダモンパウダーと調味料で味付けします。コリアンダーパウダーやニンニクパウダーと合わせると良いですよ♪
・茹でる
茹でる時はあまり使われませんね>_<
・漬ける
カルダモンはショウガ属なので、生姜のピクルスを漬ける時にカルダモンをホールのまま2.3粒加えると合いますよ(^-^)/
他にも色んなお野菜を加えて、クローブ・コリアンダーシード・胡椒なども加えるとさらに香りが立つでしょう。
・その他
北欧諸国ではカルダモンが当たり前に入っているくらい、パンやお菓子に使われています。パウダーは使いやすいのですが、やはりホールのカルダモンの方が断然香りが高いのでおすすめです。
予算が許せばホールのカルダモンの種子を砕いて使ってみましょう♪
・『Julukake_ユールカーケ』/ ノルウェー
:ドライフルーツが練り込まれた、フルーツケーキです。Juluはクリスマス、kakeはケーキ。文字通りクリスマスに食べられるケーキです。
・『Kardemummabullar_カルデムンマブッラル』/ スウェーデン
:シナモンロールのカルダモン版です。黒い粒々は全てカルダモン(*⁰▿⁰* )スウェーデンではどこのパン屋さんでも見かける程ポピュラーなものです。
また乳製品とも相性がよく、デザート関係は鉄板です。
シナモン・カルダモン・クローブと牛乳で作るマサラチャイも有名ですね。お湯で茶葉とスパイスを煮出して、牛乳を加えて温めた後に濾して飲みます。
アラブ諸国では濃く入れたコーヒーに加えられたりもします。使わなかったカルダモンの外殻を取っておいてコーヒーに使っても香りがつきます\(^-^)/
■熱を加えない カルダモン編
それでは次は熱を加えないパターンです。
・マリネ
マリネする時はパウダーを使うとよいでしょう。塩と胡椒、オイルと一緒に食材をマリネ(マスキング)します。
・漬ける
『自家製ブレンドオイルの作り方一例』
①シナモン・唐辛子・カルダモン・ペッパー・タイムなど好きなハーブ&スパイスをオリーブオイルと一緒に瓶に漬けてしっかり蓋をする。香りが出るまで一週間以上常温で置く。
・和える
クミンパウダーをドレッシングや調味料に加えて料理に使います。
・カルダモンマヨネーズ
:ニンニクのすり下ろしと砕いたカルダモンを和えます。蒸し野菜や揚げ物と和えるともう最高です\(^-^)/
・ドレッシング
:同じく、砕いたカルダモンをドレッシングと合わせます。
・飾り付けとして
粗く砕いたカルダモンをお肉の添え物としてお皿に散らした使い方をします。カルダモン単体で使うより、他のスパイスや岩塩と合わせて使うと良いでしょう。
・その他
カルダモンの種子をすり鉢で粗めに砕き、天然塩と和えてカルダモンソルトとして利用します。ただ、爽やかな香りはすぐ飛んでしまうので砕くのは使う直前にやるのがよいです。
そのほか、砕いたカルダモンをアイスに加えるのもよし、ヨーグルトに加えても美味しいです♪
カルダモンと相性の良いクミンについて『料理のプロが教えるクミンの効能と使い方』で詳しく解説しておりますので、こちらも合わせてご覧ください♪
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■カルダモンはどこで買えばいい?
■まとめ
カルダモン?カレーしかい道ないんじゃないの?と思っていた時もありましたが、カレーどころかパンやデザート・ドリンクにも使え、しかも使い方も難しくありませんでしたね。
少量から使っていきましょう。
お料理ならば全体の重量の1%以下、デザートなら2%くらいからまずは使ってみてください。使いすぎると薬っぽくなるので、主張しすぎない程度に抑えて使い、後はご自身の好みで調節してください。
キッチンにスパイスラックを用意しておき、朝のスムージとかにその日の気分で加えるのも良いでですよ♪
こんなやつです。気まぐれクックさんの、新しいスタジオにある冷蔵庫にもこれが大量に貼っていましたね。
この記事ではカルダモンを使ったお料理を少しだけ紹介しましたが、まだまだたくさんあります。料理は国毎の文化、特産品、風土、信仰などで様々に変化します。料理を学ぶ時、料理の背景まで思いを巡らせると深く理解ができます。
興味がある方は掘り下げてみても良いでしょう。
色々と書きましたが、ルールに縛られずまずは使ってみる事が大事です。あなたにとってベストな組み合わせが見つかるといいですね(^^)/
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
あなたの料理ライフがより良いものになりますように♪
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