こんにちは。
オーガニック料理教室、オーガニックリライフ講師の櫛山です。
本日は『ディル』について解説していきます。
フェンネルにかなり似たハーブですが、フェンネルとは別物です。
ちょっとお高いスーパーなどには置いてありますね。伊勢丹さんや成城石井さんでは見かけた事があります。
主に葉の部分を使いますが、種子も花も食べられます。上品な香りが素材の味を引き立て、1段階味の様相を変えてくれます。
日本ではローズマリーなどと比べるとそこまで馴染みはないですが、北米・ヨーロッパ・北アフリカ・ロシア・インド亜大陸の料理に使われています。
この記事ではディルについて調理法毎に使い方をみていきます。あなたの料理の引き出しが少しでも増え、日々の食生活がより豊かになれば幸いです。
それではいってみましょう!
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さて、早速ディルをみていきます。
フェンネルに比べ、より特徴的で甘味のあるようなサラダっぽさのある美味しい味わいです。存在感のある味は少量でも目立ちます。
サーモンのカルパッチョにはもう定番で入りますね。日本ではこれが良くみられます。海外ではお魚に使われるのはもちろんですが、お肉料理にも使われます。
もう私のハーブの記事を良く見てくださるあなたであればお分かりでしょうが、ハーブであるディルも素晴らしい効能があります。\(^^)/
それでは効能をみていきましょう♪
名称
ディル/イノンド(蒔蘿)
原産地
地中海沿岸、西〜中央アジア
科名/属名
セリ科/イノンド属
栄養/成分
香気成分として有機化合物の一種であるd-カルボン(40〜60%)が主にディルシードに多く含まれます。次いで同じく有機化合物の一種であるリモネン(35%〜45%)と続き含有量が多いです。両方とも気持ちをリラックスさせるストレス緩和・鎮静作用を持ちます。
↑この精油は、口腔内の粘膜を刺激して痰の排出をよくする作用と、味覚神経を刺激して唾液や胃液の分泌を促し、消化を助ける作用などがある。また、腸内での発酵を抑制して、ガスを排出させる作用もあり、全体として健胃や腸内ガスの排出を促す薬として用いられている。 wikipediaより
またピネン(有機化合物でモノテルペンの一種)は抗真菌・殺菌・利尿によるデトックス・血行促進・リラックス作用(森の空気に多く含まれている成分)を持ち、フェランドレンは鎮咳作用を持ちます。
精油成分ってすごいですよね。
またディルにはフラボノール類のケンペロールやケルセチン、カロテン類のβ-カロテンというファイトニュートリエントが含まれています。
ケンペロールは抗酸化、抗炎症、抗微生物、抗癌、心保護、神経保護、抗糖尿病、抗骨粗鬆症、エストロゲン/抗エストロゲン作用、抗不安、鎮痛、抗アレルギー活性作用を持つ事がわかっており、
ケルセチンは抗酸化、抗炎症、抗動脈硬化、脳血管疾患の予防、抗腫瘍効果、降圧、強い血管弛緩作用を持ち、前立腺癌の進行を予防する効果まで確認されております。
β-カロテンは体内で必要量に応じてビタミンAになり、強力な抗酸化・抗癌・夜盲症の予防・黄斑変性症予防・ 美肌効果などの作用があります。
抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンA、ビタミンC、葉酸、鉄、マンガン、マグネシウム、カルシウム、カリウム、リン、ナトリウム、亜鉛などが多く含まれております。
用途
主に魚介系で使うイメージですがお肉にも使えます。爽やかな香りがお魚の臭みを覆い隠してくれるのに役立ちますね。サーモンと玉ねぎと和えるのがとても美味しいです♪
お肉では牛肉よりは豚肉・鶏肉で使用するのに向いています。主にソースに和えて一緒に頂きます。
保存
湿らせたキッチンペーパーで包み、さらにラップで巻いて外気に触れさせないようにして冷蔵庫保存で一週間持ちます。
ディルシードは乾燥剤を入れて常温で保存すれば長期間持ちます。
■ディルに熱を加える
さて、それでは使い方を実際にみていきましょう。
熱を加えるパターンと加えないパターンで分けて深堀りしていきます。
『ディルは魚介系や酸味と合わせるのが良く合う』
と、覚えておけばアレンジしやすいと思います。
・炒める
ディルをちぎって魚介のソテーに入れます。帆立・タコ・白身・赤身・アンチョビなどをお野菜とガーリックオイルで炒める時に、ディルをちぎって入れてあげると香り豊かに、魚介の臭いも抑えてくれます♪
一緒に合わせるハーブとして、フェンネル・ホワイトペッパー・オレガノ・タイムなどが良いでしょう。ビネガーも仕上げに和えるとさらに合いますよ。
・焼く(直火・炭火・炙る・ロースト・グリル・煎る)
基本的にディルはフレッシュな状態で使うのが基本で、焼くなどして乾燥させると風味が飛ぶので使われません。乾燥物はディルシードを使います。
焼き魚の添え物として、ディルの束や他の香草を炒めたものを添えたりします。
・揚げる
揚げ衣にフレッシュのディルを刻んだ物をたっぷり入れて魚などをサッとフリット にするのはアリだと思いますが、ディルを感じさせたいなら揚げたものにフレッシュディルを散らすか、ソースに刻んだディルを和えてかける方が良いでしょう。
・煮る
煮物にはディルが良く使われます。
・『ディル・ショット』/スウェーデン料理
:牛頰肉のクリームシチューに刻んだディルとビネガーを入れた煮込み料理です。
・『サルマーレ』/ルーマニア料理
:玉ねぎと小麦粉・お肉・ディル・調味料を酢漬けのキャベツで巻いてトマトで煮込んだルーマニアのロールキャベツです。
・『ラグマン』/ウズベキスタン共和国料理
:中央アジア全域で食べられている牛肉うどんでラーメンのルーツとも言われている料理です。お野菜と牛肉を炒めた後数時間煮込み、ホールトマトと調味料を入れて火にかけて味を決めます。仕上げにディルやパクチー・糸唐辛子などを乗せ、食べる前に良く混ぜて頂きます。
・『アーシュレシュテ』/アゼルバイジャン共和国料理
:アーシュはスープ、レシュテは麺。ラマダンの時によく食べられる、お豆とお野菜を煮込んだ緑色の麺料理です。仕上げにカシュクと呼ばれるドライヨーグルトを水分で戻したものを散らします。スープの緑色はイタリアンパセリ・セロリ・ニラ・ほうれん草・パクチー・ディルなど他にも色々な葉物野菜を煮込んだ色です。
・『ロヒケイット』/フィンランド料理
:香味野菜とサーモンのクリームスープで、ディルを入れて煮込みます。
・その他
:鮭のココナッツカレーなどにディルを加えたり、豆の煮込みなどにもディルをたっぷり入れられたりします。
・蒸す
包み蒸し/焼きする時にディルを入れて蒸すと香りがつきます。魚なら白味魚系・鮭/サーモンと一緒に蒸すと良いです。
包み焼きのレシピとして、『塩麹を使った魚介のカルトッチョ』でご紹介しております。ここではタイムを入れて調理しておりますが、ディルや他のハーブを加えても美味しいです♪
よろしければ合わせてご覧ください٩( 'ω' )و
・燻す
ディルを直接燻す事はありませんが、スモークドサーモンにはよく合わせられますね♪
・茹でる
直接ディルを茹ではしませんが、茹でたり蒸したりしたジャガイモをディルでまぶしたお料理があります。火が通ったジャガイモに塩・胡椒・バター・刻んだディルなどと一緒に和えて頂きます。
・漬ける
ピクルスを作る時、他のスパイスと一緒にディルシードを加えます。
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■ディルに熱を加えない
それでは次は熱を加えないパターンです。
・マリネ
ディルの束が大量にある場合はマリネの時に使います。良い香りが魚の臭みを覆い隠してくれます(^^)/
・漬ける
例えば浅漬けをする時にディルと一緒に漬けると爽やかな香りが移って良いでしょう。レンコンやカブなどが美味しいです。
・和える
マヨネーズソースに、タルタルソースに、ドレッシングに、ヨーグルトソースに。酸味のあるソース系にめちゃくちゃ合います。
・『タルティーヌ』/フランス料理
:焼いたバゲットスライスにお肉やお魚を乗せ、ディル入りのタルタルソースをかけて頂く前菜です。色んな葉物を乗せたりもします。
・『オリヴィエサラダ』/ロシア連邦料理
:角切りに切ったお野菜とお肉をディルマヨネーズで和えたサラダになります。マセドアンサラダとも呼ばれます。
・飾り付けとして
お肉やお魚のメイン料理にそのまま散らしてもOKです。サーモンとディルの組み合わせはもう鉄板ですね\(^^)/ディルのお花もメイン料理に使われます。
・その他/調味料など
・『タラトル』/ブルガリア共和国料理
:胡瓜とクルミが入った、ヨーグルトの冷製スープです。ディルを散らす事があります。
・『ザジキ』/ギリシャ共和国料理
:羊またはヤギから作られるヨーグルトとキュウリ・ニンニク・オリーブオイル・塩・胡椒・ディルを加えて作るディップソースです。隣国トルコ共和国でも親しまれており、ジャジュクと呼ばれています。パンに付けて提供されたり、メイン料理の付け合わせ、またはソースとして使用されたりもします。国によって様々に材料が違いバリエーション豊かです。
また、ディルはハーブバターとしても応用できます。
詳しくは『【レシピ】ハーブバター/エスカルゴバターの作り方と応用 / フェンネル&イタリアンパセリVer.』にてご紹介しておりますので、合わせてご覧ください♪
さて、ここまでざっと使い方を見てきましたね。
別記事でハーブとスパイスの基本的な使い方を『料理のプロが教えるハーブやスパイスを使うタイミング』でまとめておりますので、合わせてご覧になっていただくと一層理解が深まりますよ♪
■ディルのおすすめ
フレッシュのディルはお近くの園芸ショップや、ハーブ専門農家さんなどで苗を買うのがよろしいでしょう。
都心近郊の方には『かながわハーブナーセリー』さんをオススメします。
お近くの園芸ショップで苗が売っていますので、鉢植えで育てても良いですよ♪定期的な水やりさえ守れば簡単に育ちます。
●有機ディルシード
葉っぱの味わいとは全然違うドライのディル。魚料理にまずは使ってみましょう♪
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■まとめ
いかがでしたでしょうか。
日本ではあまり使い方のバリエーションが見受けられなくても、海外ではかなりメジャーなハーブだというのがわかりましたね。
生で使われる事が多いので日々の料理で合わせやすいと思います。私はサーモンを買ってくるとディルを必ず合わせて頂きます。
サラダ、カルパッチョはもちろん、マヨネーズを使うメニューにはもれなく使えます。マグロ・アボカド・タルタルソース・ディルの組み合わせはもうウルトラ美味しいです。
ルールに縛られず、まずは使ってみる事が大事です。あなたにとってベストな組み合わせが見つかるといいですね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
あなたの料理ライフがより良いものになりますように♪
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