本日は『クローブ』について解説していきます。
ここでご紹介しているスパイスも段々とマニアックなものになってきましたね。あなたはクローブをご存知ですか?クローブは知っている方とそうでない方に分かれると思います。
カレーを作る時に使われる混合調味料『ガラムマサラ』には、実はクローブが入っています。
日本の食生活においてはそこまで馴染みがないスパイスですが、世界ではもっと馴染み深く色んなお料理に使われています。
いつも記事を見てくださっているあなたはもうご存知でしょう。今回ご紹介するクローブも身体に良い色んな効果があります。
この記事ではクローブが持つ効果と、調理法ごとに使い方をみていきます。あなたの料理の引き出しが少しでも増え、日々の食生活がより豊かになれば幸いです。
それではいってみましょう!
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料理のプロが教えるクローブの使い方と効果を解説
さて、早速クローブをみていきます。
カレーの混合調味料である『ガラムマサラ』に使われる事はすでにお話しましたね。
混合調味料/ミックススパイスとして使われている例として、
・中国の混合調味料である『五香粉(ウーシャンフェン)』
・フランス料理で使われる『キャトルエピス』
・イギリス料理でピクルスに使われる『ピクリングスパイス』
などが挙げられます。
クローブは、クローブの枝についた熟しかけのつぼみを茶色く硬くなるまで乾燥させたものです。この未成熟の状態のつぼみを乾燥させたものが1番香りが高くなります。
面白いですよね、未成熟の種子が1番香りが高いなんて(^-^)/
黒胡椒も未成熟な種子のものですし。
胡椒などに比べると馴染みがないスパイスですが、このスパイスも使い方は自由です。注意点として香りが強いので、使いすぎに注意するくらいでしょう。
では次に効果をみていきましょう♪
■クローブの効果
名称
クローブ/チョウジ(丁子)
原産地
インドネシア モルッカ諸島
科名/属名
フトモモ科 フトモモ属
栄養/成分
1番多く含まれるのがオイゲノールで、他にはβ-カリオフィレン、カリオフィレンオキシド、酢酸オイゲニル、オイゲニルアセテート、α-フムレンなどの成分を含みます。
抗菌・抗ウイルス・鎮痛・防虫・免疫賦活・鎮痙・抗ヒスタミン・抗炎症・抗腫瘍・食欲抑制・抗癌・月経前不安症(PMS)軽減・マタニティーブルース軽減・リラックス作用などが挙げられます。
精油成分であるオイゲノールは他の成分と結びついて麻酔効果を発揮するので、歯の治療などにも使用されています。
主な栄養成分としては、マンガンが1番多く含まれ、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンK・鉄・マグネシウム・カルシウム、カリウムなどが含まれています。
ORAC(酸素ラジカル吸収能)
USDA(米国農務省)による調査では、ORAC値がダントツで高いのがクローブです。抗酸化能力はORAC値だけでは十分に評価することはできませんが、クローブの効能についての1つの目安にはなるでしょう。
参考:USDA Database for the Oxygen Radical Absorbance Capacity (ORAC) of Selected Foods, Release 2
注意
妊娠中・授乳中・子供への問題は特に報告されていませんが、安全性がはっきりと明示されていませんので、過度な服用は避けましょう。
オイゲノールには血液の凝固を抑制する効果がありますので、血液凝固抑制薬を服用している人が摂取すると出血傾向になる恐れがあります。手術などを控えている場合は摂取を控えておきましょう。
クローブの精油は肌への刺激が非常に強いため、仕様の際は十分注意する。
用途
料理としては主に香り付けとして使われます。抗酸化作用の高いスパイスなので積極的に使っていきたいところですね。
保存
種子なのでシリカゲルなどの(乾燥剤)と一緒にして冷暗所にて保管してください。
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■熱を加える クローブ編
さて、それでは使い方を実際にみていきましょう。
熱を加えるパターンと加えないパターンで分けて深堀りしていきます。
世界の料理での使われ方も一部ですが合わせてみていきます。
・炒める
クローブは食材を炒める時にパウダー状のものを使います。香りが強いので少量加えましょう(^-^)/
カレーでスタータースパイスとしても使われます。コリアンダー・クミン・クローブホールをオイルと一緒に火を通して、香りを移して使います。1粒〜2粒で充分です。
・焼く(直火・炭火・炙る・ロースト・グリル・煎る)
ローストポークを作る時、脂身側に切り込みを入れてクローブを指してそのままローストします。香りは脂溶性なのでお肉の内側に浸透しながら油に溶けて香り豊かに焼き上がります。
粒を刺す理由は指して内部に香りを移すのと、後で取り除きやすくする為です。
また、お肉にクローブパウダー・コリアンダーパウダーを塩・胡椒と一緒にお肉に擦り込む場合もあります。一味違ったアクセントになって美味しいですよ♪
ローストリンゴを作る時、リンゴに切り込みを入れてココナッツオイル・クローブ1粒・シナモンパウダーをまぶしてアルミホイルで包み焼きすると、良い具合に香りが移って美味しくなります。
・揚げる
クローブホールを直接揚げる事はありませんが、クローブパウダーをお肉に擦り込んで揚げるのはよくやりますね。
こちらも使いすぎるとクローブの香りしかしませんので、お肉の香りを覆い隠さないバランスで少量使いましょう。
・煮る
クローブは煮込み料理にたいへんよく使われます。世界のお料理を少しご紹介。
・『Carbonnades_カルボナード』/ベルギー
:牛肉を炒め、玉ねぎとハーブ・スパイス・ビネガーと一緒にビールで煮込み、とろみと甘みをつけたもの。固くなったパンやトマトを入れて煮込んだりもします。
・『Trippa alla Romana_トリッパ・ラ・ロマーナ』/イタリア
:牛の胃袋/ハチノスを使った煮込み料理。ミントを必ず使う所がローマ風。世界各地にハチノスを使った料理は存在し、そこで使われる具材にも多様性があります。
・『Bakute_バクテー』/マレーシア
:ブラックペッパー・クローブ・クコの実・シナモンスティック・スターアニスなどの漢方スパイスで豚の骨付き肉を煮込んだ料理です。醤油で味付けするスープや、そのまま塩で味付けするスープもあります。肉骨茶とも呼ばれ、薬効が期待できる煮込み料理になっています。
・『Hachee_ハシェ』/オランダ
:要はビーフシチューです。飴色玉ねぎ・ブイヨン・ローリエ・ブラックペッパー・クローブ・ビネガー・水で2時間~3時間ほど煮込むお料理です。激うまです!
・『Pastilla_パスティーヤ(バステラ)とも』/モロッコ
:モロッコの伝統的お祝い料理で、ミルフィーユの始まりともいわれているサクサクの薄い生地のミートパイです。甘い層と塩味の効いた層を重ねて作られ、表面には粉砂糖で模様が描かれています。本来は鳩肉で作られますが、現代では鶏肉が使われます。
・蒸す
包み蒸し/焼きする際、食材にクローブホールを2粒〜3粒添えてそのまま蒸します。練り物を蒸し焼きにする場合にもタネにパウダーを練り込んだりしてもOK。
・燻す
燻す前のお肉にクローブパウダーと調味料で味付けします。コリアンダーパウダーやニンニクパウダーと合わせると良いですよ♪
・茹でる
上述した通り煮物で良く使われるクローブですが、例えば臭みの強いものを茹でたり、茹でこぼしたりする時にクローブを使う場合があります。例えばハチノスと呼ばれる牛の胃袋など。
臭いの強い食材と、長ネギの青い部分・生姜スライス・クローブ2粒〜3粒を一緒に入れて茹でたりしますね。
・漬ける
クローブはよくピクルスで使われますね。ホールのまま2粒〜3粒加えると良い香りが移ります(^-^)/
ローリエ・コリアンダーシード・カルダモン・マスタードシード・黒胡椒・白胡椒なども加えるとさらに香りが豊かになるでしょう。
・その他
日本ではあまり馴染みがありませんが、シナモン・カルダモン・クローブなどはお菓子やデザート、パン、温かい飲み物などに積極的に使われています。
・『ホットワイン』/ 世界各地
:好きなワインにお好みのスパイス・砂糖・レモン/オレンジピールなどを入れて沸かしたら完成。ドイツでは『グリュー・ワイン』、フランスでは『ヴァン・ショ』と呼ばれます。
・『Pepparkaka_ペッパルカーカ』/ スウェーデン
:クリスマスの時期に作られるスウェーデンのジンジャークッキーです。シナモン・クローブ・ジンジャーパウダーが練り込まれています。複数形でペッパルカーコルとも。
・『Masala chai_マサラ・チャイ』/ インド
:茶葉・シナモン・カルダモン・クローブ・水・牛乳などで作られます。お湯で茶葉とスパイスを煮出して、牛乳を加えて温めた後に濾して飲みます。
簡単な使い方として、私はお茶と一緒に煮出して飲んでいます\(^-^)/1Lのお湯に対して2粒〜3粒でOKです。とっても美味しいですよ♪
■熱を加えない クローブ編
それでは次は熱を加えないパターンです。
・マリネ
マリネする時はパウダーを使うとよいでしょう。塩と胡椒、オイルと一緒に食材をマリネ(マスキング)します。
クローブホールを使う場合もあります。ジップロックなどにお肉とクローブホールを入れて空気を抜いてマリネします。
・漬ける
フルーツのハチミツ漬けを作る時や、生姜スライス・シナモンスティックでウォッカ漬けを作る時などにクローブホールをお好みの量で漬けると良い香りがつきますよ♪
火を入れずに香りを付けたい時にもクローブはオススメです♪ 防腐効果も高まります。
・和える
クローブパウダーをドレッシングや調味料に加えて料理に使います。
・クローブマヨネーズ
:ニンニクのすり下ろしとクローブパウダー・クミンパウダー・カルダモンパウダーをマヨネーズと和えます。蒸し野菜や揚げ物と和えるとエスニック感が最高です\(^-^)/クローブパウダーは少量で。
・ドレッシング
:同じく、クローブパウダーをドレッシングと合わせます。
・飾り付けとして
特に料理で使われる事はありませんが、料理の写真を取る時に装飾品として使うと雰囲気が出ますね。
・その他
アイスクリームを作る時にクローブパウダーを混ぜて作ってみると、面白い味わいになります♪
さて、ここまでざっと使い方を見てきましたね。
別記事でハーブとスパイスの基本的な使い方を『料理のプロが教えるハーブやスパイスを使うタイミング』でまとめておりますので、合わせてご覧になっていただくと一層理解が深まりますよ♪
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■クローブのおすすめ
■まとめ
あまり聞き慣れないので一見どう使えばいいか分かりにくいですが、使い方自体は他のハーブやスパイスと大差ありません。
ただし使う量は少量で。
私はよくポトフを作る時に3粒〜4粒ほど使っています。夏場のスープなどに多めに使うと防腐効果も高まるのでオススメです。
キッチンにスパイスラックを用意しておき、朝のスムージとかにその日の気分で加えるのも良いでしょう。
こんなやつです。
この記事ではクローブを使ったお料理を少しだけ紹介しましたが、使われ方はまだまだたくさんあります。料理は国毎の文化、歴史、特産品、風土、信仰などで様々に変化します。料理を学ぶ時、料理の背景まで思いを巡らせると深く理解ができます。
興味がある方は掘り下げてみても良いでしょう。
色々と書きましたが、ルールに縛られずまずは使ってみる事が大事です。あなたにとってベストな組み合わせが見つかるといいですね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
あなたの料理ライフがより良いものになりますように♪
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