本日は『オールスパイス』について解説していきます!!
オールスパイス、あなたはご存知でしょうか?オールスパイスというからには、ガラムマサラみたいに色々入っている混合調味料なのでは?と思いがちですが、実は違います。
オールスパイスは単一のスパイスです。
私たちの身近ではカレー粉やバーベキューソースの中にも入っていますね。
この記事ではオールスパイスが持つ効能と、調理法ごとの使い方をみていきます。あなたの料理の引き出しが少しでも増え、日々の食生活がより豊かになれば幸いです。
それではいってみましょう!
ブログでは料理についての様々な情報を公開しております。
家で比較的簡単に実行できて、楽しくなる料理のアイデアです。
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料理のプロが教えるオールスパイスの効能と使い方
オールスパイスはあのコロンブスによってジャマイカからヨーロッパに持ち帰られて広まりました。コロンブスはコショウを見たことがなかったので、オールスパイスをコショウと思い込んでスペインに持ち帰りました。
そこでスペイン語でコショウを意味する『Pimienta/スペイン語』と名付けられたのです。今では色んな呼び名が存在します。
オールスパイスのパウダーをなめてみると、個人的にはシナモンとクローブの香りが強く、複数のスパイスが混じり合ったおもしろい香りがします。
一般的にはシナモン・クローブ・ナツメグにジュニパーベリーとペッパーで香りづけしたものに似ているとされています。ちなみにジュニパーはお酒のジンの香りの元となっています。
フトモモ科なのはクローブと一緒です。個性的な味わいではありますが、ブラックペッパーのように主張は強くないので、煮込み料理や肉料理、カクテルやデザートなど色んな場面で使いやすいスパイスといえます。
基本、オールスパイスも使い方自体は自由です(*⁰▿⁰* )
では次に効能をみていきましょう♪
名称
オールスパイス/ピメンタ/ジャマイカペッパー/
マートルペッパー/百味胡椒/三香子
原産地
大アンティル諸島
(中央アメリカのカリブ海にある諸島)、
メキシコ南部、ホンデュラスなどの中南米
現在はジャマイカが輸出の大部分を占める
科名/属名
フトモモ科 オールスパイス属
栄養/成分
1番多く含まれるのがオイゲノールで、他にはシネオール、α-フェランドレン、メチルオイゲノール、β-カリオフィレンなどの成分を含みます。
これらの精油成分には抗菌・抗ウイルス・鎮痛・鎮痙・鎮静・防虫・免疫賦活・抗ヒスタミン・去痰・抗炎症・精神高揚・鎮咳・抗真菌・抗癌作用などがあり、
またβ-カリオフィレンはアテローム性動脈硬化症・骨粗しょう症・更年期障害・マタニティブルー・PMSなどにも効果があることがわかっています。
精油成分であるオイゲノールは他の成分と結びついて麻酔効果を発揮するので、歯の治療などにも使用されています。
主な栄養成分としてはカルシウム・カリウム・マグネシウム・リン・マンガン・銅などのミネラル成分が比較的多く含まれています。
注意
妊娠中・授乳中・子供への問題は特に報告されていませんが、安全性がはっきりと明示されていませんので過度な服用は避けましょう。
オイゲノールには血液の凝固を抑制する効果がありますので、血液凝固抑制薬を服用している人が摂取すると出血傾向になる恐れがあります。手術などを控えている場合は摂取を控えておきましょう。
用途
料理としては主に香り付けとして使われます。デザートやパイなどにも使われる、使いどころが多いスパイスです。
保存
種子なのでシリカゲルなどの(乾燥剤)と一緒にして冷暗所にて保管してください。
■熱を加える オールスパイス編
さて、それでは使い方を実際にみていきましょう。ブラックペッパーほどの刺激はないので、料理に強いアクセントをつけるというよりは、『オールスパイスのニュアンスを少し覗かせる』みたいなイメージで使うのが良いかと思います。
熱を加えるパターンと加えないパターンで分けて深堀りしていきます。
世界の料理での使われ方も一部ですが合わせてみていきます。
・炒める
食材を炒める時にオールスパイスのパウダーを使います。炒めると独特の香ばしい香りが食欲を引き立ててくれます♪
淡白な味わいの鶏肉よりは、牛・豚・羊・ジビエなどの赤身、魚介だとうま味の強いエビやマグロ・サバ・サーモンなどの赤身魚と合わせるのが良いでしょう。
・焼く(直火・炭火・炙る・ロースト・グリル・煎る)
お肉をグリルorローストする時、オールスパイスパウダーを他の調味料と一緒に刷り込んで焼きます。
・『Jerk Pork_ジャークポーク』/ジャマイカ
:ジャークはスパイシーマリネグリルの意味。カリブの島国ジャマイカの郷土料理としてジャークチキンはあまりにも有名ですね。同じ漬けダレに浸けて、外で香ばしく焼いたグリルの事を指します。ハーブの香り、香辛料の絡み&旨味、スパイスの香りが絶妙に合わさったグリル料理です。厳密な調味料の定義はなく、場所によって様々な味があります。ジャークシーズニングという調味料が売られている程有名ですね(*⁰▿⁰*)
●オーガニックのものではありませんが、エスビー食品さんがジャークシーズニングを出されていますね。このシーズニングの他に生のニンニクや唐辛子、玉ねぎ、トマト、レモンなどを色々混ぜてペースト状にします。ハーブやスパイスを手取り早く揃えたい方にどうぞ♪
エスビー食品 セレクト ジャークチキンシーズニング100g袋
・揚げる
オールスパイスパウダーをお肉やお魚に擦り込んで揚げるのはよくやります。香ばしい香りが付いておすすめです♪ニンニク・お酒・ブラックペッパー・オールスパイス・好きなドライハーブと合わせると美味しいですよ。から揚げにもおすすめです!
・煮る
オールスパイスはカレーをはじめ煮込み料理にたいへんよく使われます。世界のお料理を少しご紹介。
・『Bamya_バミヤ』/アラブ首長国連邦
:簡単に言うと、お肉とオクラのトマト煮込みです。オールスパイスやクローブを使ってスパイスの香り豊かに煮込むお料理です。お肉とお肉の出汁も加えて煮込まれるので、うま味と香りとオクラのトロミがついた美味しい仕上がりになります。
・『Kabsa_カブサ』/サウジアラビア王国
:鶏肉のスパイス香るトマト煮込みを作り、一旦鶏肉を取り出してオーブンで焦げ目が付くまで焼きます。残ったスープに浸水させておいたバスマティ米を入れて炊きあげると完成。トマト・香辛料・ハーブをペースト状にしたソースを添えて食べます。これはうまい♪
・『Carbonnades_カルボナード』/ベルギー
:牛肉を炒め、玉ねぎとハーブ・スパイス・ビネガーと一緒にビールで煮込み、とろみと甘みをつけたもの。固くなったパンやトマトを入れて煮込んだりもします。
・蒸す
包み蒸し/焼きする際、食材にオールスパイスパウダーを刷り込んでそのまま蒸します。練り物を蒸し焼きにする場合にもタネに練り込んだりしてもOK。
・燻す
燻す前のお肉にオールスパイスパウダーと調味料で味付けします。クローブパウダーやコリアンダーパウダー、ニンニクパウダーと合わせると良いですよ♪
・茹でる
オールスパイスをそのまま茹でる事はありませんが、例えばこんなお料理があります。
・『Kroppkakor_クロップカーコル』/スウェーデン王国
:スウェーデンの伝統的家庭料理です。オールスパイスで強めに味付けされた塩漬け豚肉と玉ねぎを、じゃがいもで作られた弾力ある生地で丸い団子状に包んで茹でたものです。リンゴンベリーと合わせて頂きます♪
・漬ける
オールスパイスホールはピクルスでも使われますね。ホールのまま2粒〜3粒加えると良い香りが移ります(^-^)/スーパーではホールはあまり売っていないかも。
ローリエ・コリアンダーシード・カルダモン・マスタードシード・黒胡椒・白胡椒なども加えるとさらに香りが豊かになるでしょう。
・その他
日本ではあまり馴染みがありませんが、シナモン・カルダモン・クローブなどはお菓子やデザート、パン、温かい飲み物などに積極的に使われています。
シナモンやクローブの香りがするオールスパイスももちろん使われており、ホットワイン、クッキー、コンポート、フルーツパイ、シフォンケーキ、シュトーレンに加えてもとっても合います\(^-^)/
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■熱を加えない オールスパイス編
それでは次は熱を加えないパターンです。
・マリネ
マリネする時はパウダーを使うとよいでしょう。塩・胡椒・オイルと一緒に食材をマリネ(マスキング)します。
オールスパイスのホールを使う場合もあります。ジップロックなどにお肉とホールを入れて空気を抜いてマリネします。
・漬ける
フルーツのハチミツ漬けを作る時や、生姜スライス・シナモンスティックでウォッカ漬けを作る時などにオールスパイスやクローブホール、スターアニスなどをお好みの量で漬けると良い香りがつきますよ♪
・和える
オールスパイスパウダーをドレッシングや調味料に加えて料理に使います。
・スパイスマヨネーズ
:ニンニクのすり下ろしとオールスパイスパウダー・クローブパウダー・クミンパウダー・カルダモンパウダーをマヨネーズと和えます。蒸し野菜や揚げ物と和えるとエスニック感が最高です\(^-^)/クローブパウダーは少量で。
・ドレッシング
:同じく、オールスパイスパウダーをドレッシングと合わせます。
・飾り付けとして
特に料理で使われる事はありませんね。
・その他
オールスパイスと相性の良いクローブについて『料理のプロが教えるクローブの効能と使い方』で詳しく解説しておりますので、こちらも合わせてご覧ください♪
■オールスパイスの代用は?
家にオールスパイスがない!という時は、以下の3つのスパイスパウダーを同量ずつブレンドして使ってみましょう。
●シナモンパウダー
●クローブパウダー
●ナツメグパウダー
......そもそもこの3つが常備されているお宅ならオールスパイスもありそうですが(^_^;)クローブパウダーだけでもあるとだいぶ近づけます。
さて、ここまでざっと使い方を見てきましたね。
別記事でハーブとスパイスの基本的な使い方を『料理のプロが教えるハーブやスパイスを使うタイミング』でまとめておりますので、合わせてご覧になっていただくと一層理解が深まりますよ♪
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■オールスパイスはどこで買えばいい?
お近くのスーパーでオールスパイスパウダーは買えます\(^-^)/ホールのものはお店にない場合もあります。次にご紹介するGAIAネットではホールタイプのものがありました。
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●GAIAネット
私の料理教室の食材もここで購入しています。
オーガニックの食材が買えるサイトです。
ホールタイプの有機オールスパイスはこちらからどうぞ♪
■まとめ
馴染みがないスパイスなのでどう使えばいいか分かりにくいですが、使い方自体は他のハーブやスパイスと大差ありません。
クセの強い豚肉やジビエなどを煮込むときは多めに使いましょう。カレーにももちろん合います。というか市販のルーには入っていると思います。
私はよくお肉の煮込み料理を作るときにオールスパイスパウダーを使っています。少し多めに使い、クミンやクローブと合わせるとあっという間にエスニック風に変わりますよ。
この記事ではオールスパイスを使ったお料理を少しだけ紹介しましたが、使われ方はまだまだたくさんあります。料理は国毎の文化、歴史、特産品、風土、信仰などで様々に変化します。料理を学ぶ時、料理の背景まで思いを巡らせると深く理解ができます。
興味がある方は掘り下げてみても良いでしょう。
色々と書きましたが、ルールに縛られずまずは使ってみる事が大事です。あなたの思う最高の味付け、それを食べて美味しいと言ってくれる家族の笑顔はどんなでしょう?それに少しでも近づけるなら幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
あなたの料理ライフがより良いものになりますように♪
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